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今月のコラム

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2021/12/22
2021年年末のご挨拶

理事5名より年末のご挨拶にかえて、コメントをお送りします

宋元燮

風が冷たく感じられる季節になりました。陽陰を歩くと足元から寒さを感じて、無意識に日向を探して歩きます。そして日向にめぐりあうと少し気持ちがほっとします。
コロナ禍になって、どこか気持ちが窮屈になり考え事をしていることが増えたこの2年間でしたが、考え事をしながら歩いていると周りの景色が見えずどんどん内側に向かって心が閉じていく感覚を覚えたりもしました。
そんなときに日向にめぐりあうと、ふと顔をあげます。
寒いはずなのにちょっと風が吹くと気持ちがいいです。
気持ちが窮屈になっていたのはなんでだろう?
物事が思うように進まなかったから?どこか損をした気分になっているから?
陽射しも風も対価を求めたりしないのに、どこかで与えた分を回収しようとしてしまいがちな自分を見つけてハッとします。反省。1年目の未来の会議は9月のイベント中止もあり、順風満帆とは言えない足取りでしたが、そんな中でも3本柱は少しずつ動かしてこれました。特に「ミラチケ」は多くの主催者のご協力もあって一般公募にたどりつきましたし、3本柱ではありませんが、「わたしと舞台芸術」を通してこの業界のことをいろんな角度から知ることができたという声もいただきました。
次へ向けての大事な収穫となりました。
まだ新芽にすらなっていないかも知れませんが、陽の当たらない場所に陽を当て、風のないところに風を吹かせ、少しでも心地よい「場」を育てていけるよう、2022年も取り組んでいきたいと思います。
力を貸してくださった全ての方に感謝を込めて。

杉本宏

カンボジアやベトナムにご縁があり、年末近くをかの地で過ごすことがありました。ベトナムでは2月ごろにある中華圏と同様の旧正月が、カンボジアでは4月にあるクメール正月がかの地ではメインの正月で、11日はインターナショナル・ニュー・イヤー・デイと区別されて表現されていました。歴史や文化、生活が異なるので大切にする物ごともおのずと変わり、祝日の位置づけも変わるようです。

日本では暮れから正月の位置づけは一様なのかもしれません。それでもその過ごし方は様々で、各地に残る地域地域の催し物や食事には、その由来も含めて興味深いものがありますし、各種の団体にも多様の慣しがあり、継承されてきた伝統や文化を感じます。

移動が制限されていたこともあり、見てみたい、食べてみたい、そのような体験する欲求が深まっているのかもしれません。

多種多様な「ひと」の営みに想いを寄せつつ年末年始を過ごしたいと思います。

2021年もご支援いただきありがとうございました。

板垣恭一

動き出してみた今年でありましたけれど、自分的には夏以降忙しすぎて何もできませんでした。この場でやってみたいことは色々ありまして。稼働中の「わたしと舞台芸術」の参加者をたくさん募ることや、全国の演劇が上演される劇場のアーカイブ化、理事の藤田さんとの対談(以前の対談はこちらからどうぞ)の続編、自分を取材対象とした演出家のテーブルから見える景色のレポート、リモートでの演技講座、演出講座、観客の立場から見た舞台芸術の存在意義を語っていただく場を作ること、などなど。僕は事務的な動きは全くできないタイプなので、コンテンツ作りに励まなくちゃなと思う年末です。芸術(アート)の存在意義は数字(=もっと言えば経済価値)ではない方法で人間を表現する場である」ということだと思います。不要不急かと問われれば絶対必要、ただし有事とは相性が悪い部分アリです。そこらへん冷静に考えながらこの先やって行こうと思います。来年もよろしくお願いします。

伊礼彼方

早くも年末がやってきましたね。

少しずつ劇場も100%に戻りつつあるけど、まだまだ油断はできない状況。毎日の体温測定や毎週のPCR検査にもすっかり慣れてしまって今では仕事の一環。リアルにクラスターで公演中止を体験して悲しい思いもしましたが、諦めずに活動して行くしか道はないと思ってます。

配信やデジタルチケットが当たり前になって新しい観劇方法が生まれましたね。変化を嫌う方も多く見受けられますが、この変化がもたらした功績は大きいと思います。多くの関係者がこの変化によって救われたのは事実です。配信に限って言えば、遠方の方とより繋がることが出来たのは個人的にもとても喜ばしい事。もちろん直接会える事に越した事はないですけど。

観劇人口を拡げたいミラチケは少しずつ提供者も観劇したい人からも申し込みが増えてきました。皆様のご寄付のおかげで活動の幅が広がっております。ありがとうございます。

もっともっと多くの若年層に舞台を観てもらいたいのですが、正直なところ原資が足りてないのが現状です。

100円でも200円でもご支援頂ければ大変助かります。来年はさらに、舞台芸術に触れたことのない人達にもエンタメをお届けできますように!

公演カレンダーは少しずつ形が出来上がってきたので、まもなくパイロット版をお見せ出来ると思います。「あれが足りない!これが欲しい!」と感じたら是非ご意見をお寄せ下さい。皆さんと共に作り、喜んで頂けるように改善して行きます!!

なかなか実現までに時間が掛かったり至らない事も多々あると思いますが、皆さんの意見を反映させながら邁進していきたいと思います。

1年間お世話になりました!来年も引き続きよろしくお願い致します。

藤田香織

新型コロナウィルスという言葉を私たちが初めて聞いてから、もう2年になります。混乱し、不安になり、いくつもの悲しいお別れをして、自分たち自身の生活は大きく変わってしまいました。2年の年月は長いような短いような時間でしたが、それだけの月日が流れたのだなと、不思議な気持ちになります。

 演劇ファンとしては、演劇そのものが完全にストップしてしまったところから、ありとあらゆる対策を講じて幕が開き、舞台の配信でなんとか舞台を見ることができたり、場合によっては途中で公演が中止になってしまったり、様々なことが起き、いろいろなことを考える期間でした。一大決心をして地方遠征に行った先で公演中止を知り、感染した方々の無事を祈りながらとんぼ返りで帰途につくといったこともありました。

 まだまだ安心はできないですし、今まで通りにマスクなしで観劇をして、感想をおしゃべりすることはできないですが、代わりに配信で見られる公演が増えたり、SNSで感想を伝え合うのが上手になりました。今までよりもっとたくさんの演劇が大好きな人たちがつながれた2年間だったなと振り返ります。太古の昔から今まで、どのような技術が普及しても、どのような状況下でも演劇が廃れなかったように、コロナで演劇の火が弱まることはないし、コロナ禍のなかで、私たち演劇ファンも、演劇に携わるだれもかれもが演劇が大好きなんだなと確認できました。これからも、演劇が大好きだというこの気持ちを、ずっとずっとつないでいけるように、演劇が大好きなみんなで知恵をしぼっていければとおもいます。来年も行きたい公演がたくさんで、大忙しになる予感がします!!

●12月理事会でのひとコマ(杉本のみ別日時で撮影)

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