​藤田香織 Kaori Fujita

理事

  •  コメント

新型コロナウィルスによって2度もの緊急事態宣言が発出され、舞台芸術は当初の思惑を超えて、長きにわたる対応を強いられています。公演自体が行えなかったり、客席数を少なくしたり、公演の準備にも相当な配慮が必要です。

 今まで当然のようにたくさんの劇場でたくさんの素晴らしい舞台芸術が皆に開かれており、それを当たり前のように享受していたのに、突然幕が開くことが当然ではなくなり、私たちの価値観も大きく変わっていきました。劇場が、劇場で行われるあらゆる舞台芸術が、こんなにも私たちの人生や生活にとって必要不可欠だったのだということを、観客である我々も、そして舞台芸術の作り手も強く感じることになった一年間でした。

 しかし、この一年で私たち、つまり舞台芸術の作り手と受け手は、そのどちらもが舞台芸術を愛していて、舞台芸術のためになにができるかを考えている、同じ目標を持ったチーム、仲間になれることがわかりました。

 まだまだ舞台芸術にとって苦難の時期が続きます。経済的基盤を失った仲間も少なくありません。これは新型コロナウィルス感染症が終息したからといってすぐに解消されるものではないかもしれません。しかし、今しかできないことは必ずあるはずです。舞台芸術が再び羽を得て羽ばたき始めるまでの準備期間に、より良い環境を整えること、例えば、舞台芸術が経済的に自立できるような基盤を作ることや、舞台芸術の関係者の権利が適切に保証されること、舞台芸術を愛する人を今よりもっと増やせないかなどなど、考えることは尽きません。より高く、遠くに飛ぶためのプレパレーション(準備)を、そして飛び立った後の追い風になるような作戦を、舞台を愛する全員がチームとなって考えていければと思います。

  • プロフィール

上智大学法学部法律学科、横浜国立大学ロースクール卒業
2007年弁護士登録 子どもの虐待事件、刑事事件(裁判員裁判)を手がけるほか、一般民事、離婚、相続事件、エンターテイメント分野等を広く取り扱っている。現在は藤田・戸田法律事務所代表  放送大学講師(刑事事件・少年事件)、横浜市審理員、日弁連子どもの権利委員会福祉小委員長等を務める。