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VOICARION XIV ~スプーンの盾~
4月20日(水) - 4月26日(火)
ブリア・サヴァランは言いました。
「禽獣はくらい、人間は食べる。 教養ある人にして初めて食べ方を知る」
僕が幼少期を過ごしたフランスは、ご承知の通り食の都ですが
言葉にさえ、英語にない「食の表現」があります。
例えば「人参は茹で上がった」は絶体絶命のこと
どうやら戦場で人参しか食べるものがなくなってしまったことが語源のようです。
あとは「ほうれん草にバターを入れろ」は、「経済的に余裕を持たせること」を言います。
そしてフランス語で友達を表すCopainは「co=分け与える」「pain=パン」
パンを分け合えるほどの仲というのが語源です。
フランスがこのような食文化中心の国になったのは、フランス革命直後
数多くの宮廷料理人が街に放たれ、レストランを開いたことが発端です。
この時、貧困によりわずか10歳でパリに捨てられ、
後に「料理界の帝王」となる少年がいました。
アントナン・カレーム
彼は後に「料理でフランスを守った料理人」と言われるようになります。
そのきっかけとなったのは皇帝ナポレオンの「料理外交」です。
数々の戦争で敵を打ち負かす一方で
ナポレオンは「料理」という武器で外交でも勝利をおさめていったのです。
しかし、ナポレオンはロシアとの戦争に破れ、失脚しセントヘレナ島に幽閉されます。
敗戦国であるフランスはウィーン会議において国家存亡の危機を迎えてしまうのです。
しかし、ここでアントナン・カレームは呼び出されます。
オーダーは、会議に参加する諸外国の要人を料理で魅了すること 料理でフランスを守ること
今、世界一美味しい戦争が幕を開けるのです。
VOICARIONが新たにお届けする物語、
どうぞご期待ください。
原作・脚本・演出藤沢文翁
●全国公演
大阪公演:2022年4月2日(土)・3日(日)